2016年04月18日

ディザスタリカバリを考える

平成28年(2016年)熊本地震により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

本業のかたわら、システム管理も任されている中小企業の総務の皆様、
この機会に、BCPで重要な部分を占める、ディザスタリカバリを考えてみてはいかがでしょうか?

コンピュータシステムのバックアップについて、中小企業でも安価に実現できる方策を考えるため、当社の事例をご紹介したいと思います。

当社では、以前から拠点間を結ぶWANがあり、各種サーバ類は愛知県岡崎市の本社に集中していました。
データのバックアップは本社でLTOというテープ装置でとり、本社内にテープを保管していました。

東日本大震災を契機に、
「本社が壊滅した場合、営業所だけでは何も出来なくなる。たとえLTOテープが残っていたとしても、復旧するためには、サーバ装置類を再調達して復元する必要があり、時間と労力が掛かりすぎる。」
ということに思い至り、2011年3月15日から、新たなバックアップ方法の検討を始めました。

当時、SIerから、「データセンターにサーバの丸ごとバックアップを取る」とか、「サーバを二重化してバックアップ機をデータセンターに置く」など、色々な提案をいただきましたが、中小企業にとっては、いつ起こるかわからない災害対策コストとしては高額すぎました。

全てのデータはファイルサーバに集中していたので、このデータだけでも安価に遠隔地に置いておけないか?と思って約1ヵ月後の4月18日に始めたのが次の方法です。

1.サーバにUSBハードディスクを接続:
2.データをUSBハードディスクにアクセス権付きでXCOPY
3.同じUSBハードディスクをもう1台作る:
4.余っていたWindowsXPノートパソコンにを接続して福岡営業所に送る
5.ノートパソコンを福岡営業所のネットワークに接続
6.データのバックアップを毎日にとる
7.毎週末、BAT処理でからに差分をコピーする

ノートパソコンはUPSが付いているのも同然なので、バックアップ機としてはデスクトップパソコンより優秀です。ただ古くて余っていたものなのでHDD容量が少なく、USBハードディスクを外付けしました。
Bのデータにもファイルサーバと同様にWindowsDomainの所有権・アクセス権をコピーしておけば、一般社員には見せられないファイルを覗き見されることもありません。
差分を1回送るのに、だいたい4時間半かかったので、毎晩やると通信会社に怒られるのでは?と思い、毎週日曜日の夜に1回だけにしてみました。

その後、馴染みのSIerのSEさんに「XCOPYよりROBOCOPYの方が使えるよ」と教えてもらって、ただの「差分コピー」から「フォルダの同期」に進化しました。

ここで残った問題は、当時まだオンプレミスで運用していたSFA基幹系のデータです。
とりあえず福岡にバックアップデータを送ったまでは良いのですが、福岡にサーバを置かなければ使えません。

そこで、次の段階は、色んなシステムのクラウド化です。

SFAは自社サーバのリースアップにともない、クラウドシステムに乗り換えました。
オンプレミスの保有・保守コストを考えると、全然元が取れます。
バックアップの心配もいりません。
社外からiPadでも使えるようになり、業務効率も向上しました。

派遣会社の基幹システムである給与計算は、本社で部門ごとにスタンドアロン機で計算していましたが、拠点でも計算できるようにクラウドシステムにバージョンアップしました。
おまけでマイナンバーのデータもクラウド上にセキュアに保管できるようになり、マイナンバー管理での追加投資を最小限に抑えることもできました。

クラウド技術の進展により、ほんの数年前には考えられなかったコストで、データをセキュアに社外の安全な場所に預けることができるようになりました。

拠点間接続のWANも、一昔前までは距離に応じて値段が決まる高額な専用線を引かなければならず、とても中小企業の手の届く存在ではありませんでしたが、インターネット技術の進展により、電話線を1本増やすくらいの感覚で実現できるようになりました。

福岡営業所のバックアップ用ノートパソコンは、WindowsXPからWindows7に変えましたが、これも余ったノートパソコンです。
ただ、Windows7にしてから、何も通信していないといつの間にかDomainとの接続が切れてしまい、気が付くと福岡にバックアップがとれてないという状況に陥りました。
そこは、やはりBAT処理。毎日一定時間に福岡から本社へ、本社から福岡へ、双方向に「起きてるよ」というテキストを書き込むBATを動かしたら、勝手に切れないようになりました。
根本的な解決にはなっていませんが、そこは中小企業のシステム管理者、お金を掛けずに、ちょっとした知恵でしのぐわけです。
DOSコマンド、BATファイル、タスクが使えるとシステム管理の幅が広がります。

当社の事例ですが、お困りの皆様のちょっとしたヒントになれば幸いです。

では、次回はExcel技に戻ります。

★これまでの連載はこちら
●総務人事の役に立つExcel技:文字列の引算(2)
http://www.trust-family.co.jp/wgs/blog/v/303/
●総務人事の役に立つExcel技:文字列の引算(1)
http://www.trust-family.co.jp/wgs/blog/v/299/
●総務人事の役に立つExcel技:文字列の足算
http://www.trust-family.co.jp/wgs/blog/v/296/



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