2016年03月21日

総務人事の役に立つExcel技:文字列の引算(1)

第2回目は 文字列の引算 です。

 前回は「姓」と「名」を足算して「姓 名」をつくりましたが、今回は逆に「姓 名」から「姓」を取り出してみましょう。

「姓 名」というデータから「姓」を取り出すには2つの関数を使います。
・文字列の左から文字を取り出す関数:LEFT
書式:=LEFT(文字列、文字数)
・文字列の何文字目に探したい文字が入っているか調べる関数:SEARCH
書式:=SEARCH(探したい文字、探す対象、何文字目から探すか)

 まず「姓」を取り出す前に、姓名の間のスペースを統一しましょう。スペースに全角と半角が混じっているとSEARCH関数でうまく探せません。(間にスペースが入っていないと、残念ながら今回の業は使えません(^_^;))
対象の列を選択しておいて、「置換」を使って「検索する文字列」に半角スペース、「置換後の文字列」に全角スペースを入れて「すべて置換」を押すと、全て全角スペースに統一されます。全角・半角を逆にすれば半角に統一されます。

Excel検索と置換
さて、では「姓」を取り出してみましょう。
LEFT関数でスペースの前の文字まで取り出せばよいので、こうなります。

Excel姓名から姓を取り出す
この数式を言葉で書くと、
「セルA2の一文字目から何文字目にスペースが入っているか数えて、そのスペースの一つ前までの文字を左から取り出す。」
という意味になっています。

では、総務人事担当者のお役に立てれば幸いです。
次回は「姓 名」のデータから「名」を取り出す方法です。

★前回は、こちら
●総務人事の役に立つExcel技:文字列の足算
https://www.trust-family.co.jp/wgs/blog/v/296/


2016年03月14日

改正派遣法:義務?配慮義務?努力義務?

法令に書かれている「義務」には3種類あります。

義務:しなければならない。
配慮義務:配慮しなければならない。
努力義務:努めなければならない。

義務」を怠ると「義務違反」で、指導・助言・勧告・命令の対象になり、さらに違反を重ねるなど悪質な場合は罰金又は懲役刑までありえます。
平成27年9月改正派遣法であらたに派遣先の義務となったもので、巷間よく語られている派遣可能期間関連以外では次のようなものがあります。

正社員の募集情報の提供義務(法第40条の5第1項)
 派遣先は、次の派遣労働者に対して、派遣先事業所の「正社員」の募集情報を周知しなければならない。
 ・対象となる派遣労働者
  ・同一の「事業所」で1年以上継続して就労している派遣労働者
  ・有期雇用派遣労働者だけでなく無期雇用の者も対象

労働者の募集情報の提供義務(法第40条の5第2項)
 派遣先は、次の派遣労働者に対して、「正社員に限らず」派遣先事業所の労働者の募集情報を周知しなければならない。
 ・対象となる派遣労働者(次の3つを全て満たす者)
  ・有期雇用派遣労働者
  ・同一の「組織単位」の業務を継続して3年間就労する見込みがある
  ・派遣元事業主から直接雇用の依頼がある


努力義務」は、法的拘束力も罰則も無く、どの程度守るかは当事者次第です。ただし、「努力する義務」ですから、「罰則が無いなら努力もしない」というのはいかがなものかと思います。

優先雇用の努力義務(法第40条の4)
 派遣先は、次の3つをすべて満たす場合、当該派遣労働者を遅滞無く雇い入れるよう努めなければならない。
 ・同一の組織単位に1年以上継続して従事した有期雇用派遣労働者
 ・派遣元事業主から直接雇用の依頼がある
 ・派遣終了後にその業務に労働者を雇い入れようとしている


では「配慮義務」とは何でしょうか?
言葉の通り「配慮する義務がある」ということで、義務を履行するために何らかの措置・対応を取る必要があります。
これを怠ると、指導・助言・勧告等の対象にもなりえます。

福利厚生施設の利用に関する配慮義務(法第40条第3項)
 派遣先は、派遣先の労働者が利用する以下の福利厚生施設については、派遣労働者にも利用の機会を与えるように配慮しなければならない。
 ・対象施設:給食施設・休憩室・更衣室

ということで、

 義務>配慮義務>努力義務

ということが、ご理解いただけたでしょうか?

今回の内容について、詳しくは
労働者派遣事業関係業務取扱要領 第8 P238~
(要領の改訂によりページ数は前後する場合があります)


★参考までに、こちらもどうぞ
●労働者派遣法、政令?省令?指針?
https://www.trust-family.co.jp/wgs/blog/v/295/


2016年03月07日

消費税の仕組みをおさらいしましょう

 消費税は、来年平成29年4月に8%から10%に増税される予定です。
(選挙対策で、再び先送りされる可能性は残っていますが)
食料品等に対する「軽減税率」という言葉は、あたかも税金が安くなるような印象を与えますが、あくまでも「据え置き」です。

 消費税の仕組みについて、既にご存知の方も、新しく購買担当になられた方も、基本を押さえておきましょう。
消費税は、「消費者が負担する税金」で、生産・販売過程にある会社は消費税を預って消費者の代わりに納税しているに過ぎません。

 話を単純化するために、生産から消費までを2段階として、原価以外の経費を除外すると、次の図のようになります。

消費税の仕組み

生産・販売過程にある会社は、消費税によって損も得もしていません。
※簡易課税などで発生する「益税」という例外は存在します。
みずほ総研:「消費税」導入の経緯と益税問題(PDFファイル)

では、本体価格10万円の物を仕入れて売る場合、消費税が8%から10%に上がると、消費者の支払う金額と販売会社の利益はどうなるでしょう。

消費税増税による販売価格と利益の変化

消費者の支払う金額は2%分だけ増えますが、販売会社の利益は変わりません。
「仕入れ価格が増えると利益が減る」というのは誤解です。

ただし、販売価格が上がるので、販売量が減ってしまう可能性はあります。
そこで、販売減対策として販売価格を108,000円据え置きたいために、下請の納入価格を税込で増税前と同額に抑えたいというインセンティブが働きます。
しかしながらそれは、たとえ自らの利益も減っていたとしても、消費税転嫁対策特別措置法に定める「買いたたき」に該当し、違法になりますので注意しましょう。

公正取引委員会のホームページには、買いたたき等で勧告を受けた会社の社名が多数公表されています。かなり名の知れた企業も勧告を受けています。購買担当者の誤解・思い込みによる「買いたたき」が社名を傷つけることにもなりかねませんので、正しい理解を深めることが重要です。

公正取引委員会:消費税転嫁対策コーナー


2016年02月29日

総務人事の役に立つExcel技:文字列の足算

今回から、大量のデータを取り扱うことが多い総務人事担当者のために、知っておくと便利なExcelの関数などをご紹介していきます。

第1回目は 文字列の足算 です。

「姓」と「名」が分かれている人事データを、「姓名」に変換するとき、皆さんどうやっていますか?
数値を足す場合に「+」を使うのは常識ですが、文字列の足算=文字列を連結するときは「&」を使います。

Excelで文字列を足算 連結

姓と名の間にスペースを入れたい場合は、
 =A2&” ”&B2
と、文字列をあらわすダブルクォーテーションでスペースを挟み、&で連結しましょう。

いかがでしたか?1回目は関数以前の問題でした。
今日はこれくらいで、と思いましたが、もう一つTipsを。

人事データベースなどから取り出したCSVデータをExcelに取り込んだとき、セルの表示形式が「文字列」に設定されてしまうことがあります。この列の右側に列を挿入すると(上の図でC列に例えば「性別」が入っていて、B列とC列の間に1列挿入して「姓名」欄を作るような場合)、挿入した列も文字列に設定され、数式を入れても数式がそのまま文字列として保存されるため計算が行なわれません。そんなときは挿入した列のセルの表示形式を「標準」に変更しましょう。

では、総務人事担当者のお役に立てれば幸いです。
次回は「姓 名」のデータから「姓」を取り出す方法です。


2016年02月22日

労働者派遣法、政令?省令?指針?

平成27年9月改正労働者派遣法の改正内容については、厚生労働省のホームページは勿論、すでに各所で詳しい解説がなされていますので、あまり語られない基本的なことについて書きます。

正式名称:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律、いわゆる労働者派遣法に付随するものとして、政令と省令があります。

政令:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行令
省令:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則

法令の優劣関係は、
 憲法>法律>政令>省令
の順です。法律・政令・省令を総称して法令と呼び、政令と省令をまとめて政省令と呼びます。

政令は閣議決定の後、法律のような国会議決を経ることなく、天皇陛下が公布されますが、省令は各省の大臣が制定し、大臣の名で公布されます。

法律の条文の中に「政令に定めるところによる」や「別途省令に定める」と書き、時流に合わせて適宜変えていかなくてはいけない事項や、例えば、迅速に改正が必要な危険ドラッグの指定などといった事項が政省令に定められます。

労働者派遣法施行令には、派遣禁止業務の細目、日雇派遣禁止の例外となる業務、他の労働関係法令を派遣先・派遣元のどちらに適用するかなどが規定されています。以前は、期間制限の無い所謂専門26業務も定められていました。
ちなみに、前回の平成24年派遣法改正寸前に専門業務が一つ増えて27業務となり、日雇派遣禁止の例外業務を分割する際に、そのうち1業務を2つに割ったため、日雇派遣禁止の例外かつ期間制限の無い専門18業務と期間制限の無い専門10業務、合わせて期間制限の無い専門28業務となったのですが、長らく26業務であったため、「所謂26業務」という表現が使われていました。
平成27年9月改正時の各種報道では、単に「26業務」と言ったり、「26業種」と間違っていたり、ひどいものになると、もっと古い「13業務」を引用したりするものさえありました。やはり、原典にあたることが重要です。

閑話休題。
労働者派遣法施行規則には、派遣事業許可申請に必要な書類、事業報告の提出日といった派遣事業者が行なう事務手続の原則から、派遣元・派遣先の講ずべき措置の細目、他の労働関係施行規則の適用関係などの事項が定められています。

法令よりも下位ものとして、「事業はこういう風にすすめましょうね」という「指針」というものがあります。
派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針
派遣先が講ずべき指針
日雇派遣労働者の雇用の安定等を図るために派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置に関する指針
これらが労働者派遣法に関わる三指針です。
指針は法令より読みやすい文体で書かれているので、一度は目を通しておかれることをおすすめします。

さらに、我々の業界のバイブルとも言うべき「労働者派遣事業関係業務取扱要領」といいうものがあります。
この業務取扱要領は、法令や指針の解説が比較的平易に書いてあり、中には法令・指針にも書いていない重要なことが書いてあったりしますので、派遣法関連で解釈が分からない、あるいは迷うようなことがあったら、まず、この要領にあたりましょう。
印刷すると432ページもあり、知らない間に改訂されることがあるので、必要なときにネットで開いてみることをお勧めします。

そのほかに「告示」や「通達」などがありますが、表に出てこないためあまり知られていない「内かん」というものがあります。
「内かん」とは、行政機関において必要な事項を伝達するために、国から地方自治体に大して送付される文書のことです。
特に、我々の業界に大きく関わるものとしては、昭和55年に厚生省保険局保険課長から都道府県の保険課長宛に発せられた内かんがあります。
それまで各地方で様々に運用されていたパートタイマー等の社会保険適用除外基準を「所定労働時間・日数が正社員の四分の三未満にすべき」との考えを示したものです。
これまでこの「四分の三未満」は法令のどこにも書いてなかったのですが、今年平成28年10月のパートタイマーの社保加入拡大に合わせて、厚生年金保険法に加えられることになりました。社会保険の話は、また別の機会にしましょう。

派遣先責任者の方は勿論、派遣先で派遣労働者の指揮命令に関わる方々も、解説書や解説記事、Q&Aばかりではなく、たまには法令の原典や業務取扱要領を読んでみてはいかがでしょうか。



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